フリュティック学園のある日の講義1


 新入生のみなさん、ごきげんいかがー?
 どうも、今回から編絃術へんげんじゅつ講義を担当するニヴォンの樹海出身、コルテュでーっす!
 今回の講義は何をするかっていうと、編絃術の基本中の基本、精霊についてと、どんなことやってるのかについてでーす。
 はーい、みなさん、教科書のいっちばん最初をひらいてねー。よーし、おっけー、じゃ、はじめまーす。


 はい、きみ、さっそくだけど6つの精霊の名前、言ってみて。うん、どうぞどうぞ。
 ――うんうん。予習は完璧だね! 教科書に載ってるの、そのページじゃないものね。
 そう、火のメルティナ、水のヒェルシュ、風のディルモン、土のイルヌ、闇のドゥルテ、そしてわれらが木のニルヴォー。――闇はあって、光の精霊はないのかって?
 いるよ? ほら、さっき名前を挙げたじゃない。いつも光ってて……バーニア神? きみ、バントルクの子?
 ああそうなんだ。でもごめんね、カミサマは関係しないの。ラーセルも、もちろん関係ありませーん。
 本題に戻るよ?――メルティナが光なの。まぁ、主にそうするのがメルティナってだけなんだけどね。
 どうしてだかわかる? はいそこのきみ。――うーん、ちょぉーっと惜しいかな。光ってるから、って言うのは、確かに本質を突いてるんだけどね。
 ま、いつだって火が光を生み出すって事。え、光だけの術はなんなんだって? あれもザンネンながら火の術です。
 その辺の細かい事は<紋>を教えている――<紋>ってのはネーウェが作った織絃術しげんじゅつのことね――ファイエット先生が教えてくれるよ。
 必修でしょ、「属性学」。そう、ファイエット先生兼任なの。あ、そこ、がっかりしない。


 ん? ああうん、そうだ、編絃術の系統も今回の講義の内容だっけ?
 みんながこれから習う編絃術には3つの種類があるのね。今は編絃術の基礎ばっかりだけど、授業が進めば3つそれぞれ希望するのに分かれることになってます。
 ほれほれ、メモのよーい、よーい。よし、したね?
 じゃ、まずひとーつめーは医薬。お、きみ知ってるねぇ、マディトーに卸されてるわが故郷ニヴォンの薬の大半がこれだね。
 ふたーつめーは化薬。そうそう、心変わりの薬とか惚れ薬とかは、このカテゴリーだね。
 みーっつめーはみんなだいすき爆薬! もう、私これ作るのだいすきでー。え、そんな危ないのいやだって? やだなぁ、そのうち慣れるって、そのうち。


 ところで知ってる?一番お手軽で、奥深い術って、何か。――それはね、思い、だよ。結局はね、編絃術もやっぱり織絃術と一緒なのよ。
 うまくできますよーに、って願いながら、手を動かす術なのね。
 そうしてほれぼれする程素晴らしい爆弾ができた時の、高揚感はほんとステキにサイコーで、すぐにでもその場で試してみ――あ、ザンネン、チャイムなっちゃったー。
 それじゃー、講義は以上でーす! 解散っ!






元ネタは、わかる人にはわかるかもしれないw
8は楽しいゲームだったなぁ……Disc3までは←
閑話休題。

今回のテーマは「世界観説明:魔術編」です。
インフィネ世界には3種類の魔術がありますので、3つに分けて説明する事になります。
なんでこの形式かって、一番説明口調でも違和感ないのは授業風景かな、という目論見と、私が学園都市ってのが好きだから、というのと、色々ありまして。
いい加減こちらの世界観も出さないとフェアじゃないと思いましたし、ちょうどよく書き上がっていた文章を掲載する事に相成りました。
とりあえず、最初に書き上がったので“編絃術編”がその1です。


2011/5/17 Cuore

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